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ぶどう畑通信

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20256

〜余市のぶどう畑から〜

写真1. ケルナーの芽が膨らみ、葉が広がってきました。その中には秋にぶどうとなる部分が見えています。
写真2. NYVのワインの充填に向け、コルクが納品されました。

余市の春も進んできました。こちらの畑では4月28日にウグイスの声が聞こえ、しばらく間をおいて5月16日にカッコーの声が聞こえてきました。これらの鳥の声に合わすように、ぶどうの芽も膨らみ(萌芽)、そして葉っぱが出てくる(展葉)時期を迎えました。いよいよ余市の畑の春の始まりです。
春を迎えた圃場では昨年に架線から降ろしたぶどうの枝を、架線に固定するところから始まっています。その前に架線も杭から外していますので、その架線を元に戻す作業からスタートしています。そして、5月の中旬にようやくすべてのぶどうの枝を架線に固定することができました。大変な作業でしたが、社員全員の努力で無事に完了しました。
先月号で今年の春は気温が低いとお話しましたが、5月になって気温の高い日が続き、ぶどうの生育が進んできました。
まずシャルドネの萌芽が5月初旬に始まりました。5月中旬にはピノ・ノワールのうちNYVの圃場に5種類あるクローンのうち3種類で萌芽が始まりました。残りの2種のクローンも後を追って、すぐに萌芽を迎えました。また同時期にケルナー、ピノ・グリも萌芽を迎えました。この数日間での生育のスピードは速く、5月初旬にはまだまだ固く、樹の一部であったような芽が2週間ほど経っただけで、ぶどうの葉が芽から出てくる展葉を迎えました。この春の生命の力強さには驚かされるばかりです。
このようにぶどうの芽が膨らんでくると、発生してくる虫への対応が必要となります。この発芽前後ではウスミドリカスミカメへの対策を考えた防除を行います。この虫は展葉前のぶどうの芽に入り込み、組織から汁を吸います。もし、この虫に吸汁されると、展葉した葉は、葉が出た時には多数の穴が開いたボロボロの葉となり、ぶどうにとってはとんでもない被害となります。それを防ぐための重要な防除がこの時期のもう一つの作業です。
新芽を狙うのは虫だけではありません。エゾシカも狙っています。NYV圃場では電気柵を設置し、エゾシカの害を防いでいます。
元気な芽が出てくると次は「芽かき」の作業です。不要な芽を取り除いて、必要な芽に栄養分を与えるための作業で、秋に良質なぶどうを得るための大事な作業です。そのうちに開花の時期になります。

(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)

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