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ぶどう畑通信
20257
〜余市のぶどう畑から〜
写真1. 開花を迎えたケルナー。
写真2. シュートバインダー(新梢誘引機)、このらせん状のパーツが横に広がったぶどうの枝をまっすぐ上に向くように整列させます。二つ見える筒状のパーツの中には紐が入っていて、その紐で、上向きに誘導された枝を固定していきます。
6月に入り気温が高くなってきました。今年の6月24日までの圃場での有効積算気温は338.1℃です。昨年の同時期は369.0℃とそこまで高くはありませんが、猛暑だった2023年の298.2℃と比べるとかなり高い気温だと言えます。
実際に畑で作業をしていても、陽射しの強さは身体中で感じます。このような気候のもとで昨年とほぼ同じ時期の6月23日にぶどうの開花が始まりました。この時期にぶどうの垣根の間に立つと、ぶどうの花の、少し粉っぽい、甘い香りが漂ってきます。
この時期にはぶどう樹の生育も旺盛です。その伸びる方向は上方向だけではなく、横方向や、あるものは下方向に伸びていきます。ぶどうを効率的に成熟させ、収穫したい我々にとってはぶどうの枝を綺麗に上方向に伸ばしたいので、下方向に伸びた枝は除去しますが、横方向に伸びた枝は上方向に向くように誘引していきます。現在はそれを人手で一本ずつ上を向くように、ぶどう垣根の針金に固定しています。ぶどうの枝の成長との時間比べといったところですが、なかなかぶどうの生育にはスピードが及ばない事が多く、悩みの種でした。そんな時に素晴らしい仲間が登場しました。
シュートバインダー(新梢誘引機)という機械です。これをトラクターに取り付け、写真のようにらせん状の部品で横に広がった枝をまっすぐ上に向け、テープで横に広がらないように固定するものです。まだ、稼働を始めたばかりで人手に比べると少し雑なところもありますが、スピードは人力をはるかに凌いでいます。ここで余裕がでた人の力を別の作業にむけ、さらに綺麗な畑にしていきます。ぜひ、ご期待ください。
ところで先日、畑にお越しいただいたお客さまより「ワイン用ぶどうは食べてもおいしいんですか?」というお尋ねがありました。この機に、皆さんにもお伝えしたいのですが、ワイン用ぶどうは食べてもとても美味しいです。糖度も20度前後で、かなり甘さはありますが、同時に酸味もあり、すばらしいバランスの果実です。ただ、種があり、小粒なので、シャインマスカットのようにはいかず、ちょっと面倒な食べ方になりますが。やはり美味しいぶどうでなければ美味しいワインはできない、という事ですね。
(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)