*Firefox最新版をご利用のお客様へ* ページの背景画像が正しく表示されない場合、こちらをクリックお願いします。
ぶどう畑通信
202210
〜余市のぶどう畑から〜
写真1.このようにぶどうは一房一房手で丁寧に収穫していきます。
写真2.収穫したブドウはこの黄色のコンテナ(プラスティック函)に入れます。この函一つにぶどうが約10kg入っています。
9月11日、好天の日曜日に今年の収穫をスタートしました。スタート品種は昨年と同様にピノ・ノワールです。このぶどうは瓶内二次発酵を行うスパークリングワイン用の原料ですので酸のしっかりした味わいのワインにしたく、早めの収穫を行いました。ほかの品種も順調に成熟していて9月下旬から10月にかけて収穫を迎える予定です。
収穫前にはぶどうの品質を維持するためにも乾燥した気候が望ましいのですが、今年の9月の降水量(9/1〜9/25)は78mmで昨年同時期の132mmに比べかなり少なく、ぶどうにとっては良い気候の9月となりました。このままの天候で収穫を終えられればいいのですが。
ぶどうの生育の状況ですが、昨年と同じ頃の日付で糖度・酸度を比べてみると昨年は糖度が高く、酸度は昨年の方が低くなっています。ぶどうは成熟が進むに従い、糖度は上昇し、酸度は減少していくものなので、昨年より成熟が遅れていると言えます。一昨年と比べてみると少し早く進んでいます。この差は収穫年の振れ幅の中にあるものでしょう。またぶどうの大きさを見るのにぶどうの実100粒の重さを比較しますが、その百粒重が全品種で昨年より大きくなっています。一昨年との比較では大きな差はありませんので、昨年はぶどうの実が大きくなりにくかった年であったと判断できます。こういったデータを年々積み重ねていきこの畑の特徴を明確にしていきたいと思います。
先月号でぶどうにべと病が認められたと記載しましたが、幸いにも早い手当が功を奏し、べと病は拡散することなく、一部分の発生にとどました。これから残り1か月足らずですが、病気が広がらないように注意して圃場を見回り、病気の予兆を見逃さず、健全なぶどうをしっかり収穫できるように心がけていきます。
(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)