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ぶどう畑通信

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20227

〜余市のぶどう畑から〜

写真1.ぶどうの蕾を蓄えている梗が延びてきて、蕾どうしの間隔が拡がってきました。
写真2.電気柵設置状況

当圃場に設置している気象計による積算気温は6月22日で273.9℃となりました。昨年の同時期の積算気温は272.1℃ですので、この数値だけを見ると今年の気候は昨年とほぼ同様と言えそうです。しかし、5月31日までの今年と昨年の積算気温を比較すると2022年は164.4℃であったのに対し2021年は111.6℃しかありませんでした。また6月1日から6月22日までの日照時間ですが、2022年は132.2時間でしたが2021年は177.8時間もありました。降水量は10.8mmと少なく、まとめますと2022年の6月について日照時間と降水が少なく、気温が低い6月であったと言えます。
そういった気候の中、ぶどうは順調に生育しています。ぶどうの蕾が大きくなり、蕾がついている梗の部分も長く伸びてきました。
ぶどうが健康に結実するために開花前後のこの時期の防除が重要となります。この時期にしっかりとした防除をしておくことで、収穫時に健全なぶどうを手にすることができます。
健全なぶどうの敵と言えば微生物や昆虫が主となりますが、それ以外にもあります。それは動物です。日本各地でいろいろな害獣対策が行われていますが、近郊では鹿対策が主となっています。鹿はこの時期にちょうど伸び始めた新芽を食べてしまい、ぶどう園に大きなダメージを与えます。当圃場でも昨年はシャルドネの樹が十数本食害に遭い、伸びてきたばかりの新梢を数十センチ食べられてしまいました。その樹は枯れてしまうということはありませんでしたが、収穫はほとんどできませんでした。
今年はそのような目にあわないように、圃場全体を電気柵で囲いました。電気柵は瞬間的に通電するもので、もし人が触れたとしても静電気にあったような刺激を受けるだけで、安全なものですが、動物はそれを嫌がり、こういった電気柵には二度と近づかなくなるようです。ただ安全と言われても、ホテルのドアノブを触った時のような静電気は人間でも出来ればあわずに済ませたいものです。
このような対策をとって秋には良質のぶどうを収穫できるように畑全体を見守っていきます。

(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)

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