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ぶどう畑通信

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北海道のニッカ余市ヴィンヤードから、毎月ぶどう畑の様子を報告します。

202112

〜余市のぶどう畑から〜

写真1.剪定前の社内講習の様子 写真2.剪定前のぶどう畑。葉が落ちましたが、まだ緑色がしっかり残っています

 11月に入りぶどうの葉も落ち、冬季剪定を始めました。昨年は11月の下旬には積雪があり、その中での剪定開始でしたが、今年は気温が高くまだ積雪もない時から剪定を進めることができました。気温といえば今年の生育期間中の当社圃場の積算気温は1,439℃と非常に高い温度となりました。余市地区は今まで1,100℃前後でしたので、その気温がいかに高いかが分かると思います。
 ところで余市ではぶどうの苗木を斜めに植栽しています。その理由は剪定を終えたぶどうの樹を降り積もった雪で覆うためです。氷点下10℃を下回るような強い冷気に長期間さらされるとぶどうの組織が破壊され、翌年芽が出なくなる恐れがあります。ところが、外気がこのような気温になっても、雪の中は氷点下3℃程度に保たれ、ぶどうの芽は破壊されずに生存し、翌春順調に出芽します。そのため雪の多い余市ではぶどうの枝を雪で覆うようにします。
 そうなると積雪が数十pとなる前に剪定を終えなければいけません。ある程度時間との勝負と言える作業です。ただ、剪定は翌年のぶどうの収穫量を左右する大事な作業で、スピードとともに慎重に進めることも大事となってきます。実際に剪定をする際には将来のぶどう樹形を想像しながら、どの枝を残そうか、どの枝をどのくらい切ろうか悩みながらやっています。
 また複数の人間で剪定を行いますが、その作業する人によって考え方が違っていると、剪定後の樹形がバラバラになりその後の作業や結果が異なってきますので、剪定の前に全員で実物を見ながら、意思統一を図りました。
 これからあと1か月、剪定を進めていきます。

(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)

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