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ぶどう畑通信

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北海道のニッカ余市ヴィンヤードから、毎月ぶどう畑の様子を報告します。

202111

〜余市のぶどう畑から〜

写真1.アライグマによる(食害)。被害を受けたシャルドネ 写真2.収穫を終えた静かなぶどう畑。周囲の樹々の色づきもそろそろ冬に備え始めました。

 9月の下旬に始めた収穫ですが、10月22日に試験用に残しておいたピノ・ノワールを最後に今年の収穫を完了しました。今年は春先から平年と比較して平均気温は高めで推移し、北海道で気候シフトが起こったといわれる1998年以降の平均気温と比べても常に高めに推移しました。その結果、近隣のワイナリーでは醸造用ぶどうの収穫は平年より早くスタートしたそうです。当社での収穫は今年が初めてですので、正確な比較はできませんが、昨年の生育と比べて2週間ほど早く進みました。
 先月にも記載しましたが、この高い気温と春先や開花後の7月の乾燥した気象によってピノ・ノワールはじめケルナー、ピノ・グリ、シャルドネとも品質の良いぶどうが収穫できました。
 余市では幸いにして気候的な大きな異変はなく、順調な年でしたが、獣害が少しずつ見られるようになってきました。春先にはシャルドネで10本程度、出てきたばかりの新芽がきれいに食べられてしまいました。地表80cmから1mくらいの高さの新芽ですのでおそらく鹿による食害だったのでしょう。
 また秋にはぶどうが実り、大きく甘くなった時期にその実だけが食べられ、枝に房のみが残されていました。この食べられ方から見て、おそらくアライグマによるものだと思われます。
 鹿にしてもアライグマにしても今年はまだ被害が少なく、まだ大きな問題ではありません。しかし、味を覚えた動物たちがまた来る、ということは十分に考えられ、来年以降も少ない被害で済むとは限りません。せっかく1年かけて育てたぶどうを最後に動物に横取りされたくはありません。対策として畑全体を電気柵で囲い、被害を少しでも少ないものにしていこうと思い、収穫を終えました。これからは冬越しの準備です。

(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)

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