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ぶどう畑通信

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北海道のニッカ余市ヴィンヤードから、毎月ぶどう畑の様子を報告します。

201810

〜余市のぶどう畑から〜

左:苗の育成状況 ケルナーです。 / 右:圃場の様子(9月20日)晴天

9月は立て続けに天災に見舞われました。 まず5日の夜半に台風21号が積丹半島の西側を通過したため、余市町に強風が吹きました。
最大30m/s、常時20m/sの風が吹いたと言われています。翌朝には風はだいぶ収まっていましたが、時折まだ思い出したように強い風が吹きました。畑の周りには、かつて風よけに白樺の木をぐるりと植えていたのですが、風通しを良くするために、ぶどうを植える前に全部伐採してしまった経緯があり強風の影響が心配でしたので、早速ぶどう畑の様子を確認しに現地に赴きました。
まずは畑全体を一望して何も変化がないことを確認しました。しかし畑に降りて1本1本苗を見ていくと、時折支柱が倒れて括り付けられた苗も一緒に地面に倒れているものが散見されます。風が南から吹いたらしく、南に向かって茎を倒してあったケルナーとピノ・グリが、風を受けて起き上がった形でしょうか、それで支柱とともに倒れてしまったようです。
幸い茎がまだやわらかいせいか、折れ曲がりはしたけれど、完全に折れてしまったものはほとんどなく、実質被害はほぼなかったと言って良いでしょう。ほっと胸をなでおろした次第です。一つずつ支柱を起こして、垣根の針金に固定し、何とか現状回復できました。
しかし余市町内では、リンゴやプルーンなどが収穫時期を迎えており、今回の強風の影響で落果したり、揺れてこすれて傷ついたりしたものが少なからず出たようです。他のぶどう園やワイナリーなどでの被害の声は聞こえてきませんが、とにかく今年は果樹栽培にとっては厄年であったという声がしきりです。
更に、翌9月6日の午前3時に「北海道胆振東部地震」が起こりました。
地震発生後すぐに北海道は全停電になってしまい、朝を迎えても情報が何も入ってこない状況です。
何とか電話で現地と連絡を取り、ぶどう畑は被害がなかったことを確認しました。
日頃からここ余市町は、あまり地震や台風などの自然災害がないところだなあ、と勝手に思っていたところ、今回は立て続けに大きな災害に見舞われました。それでも以前であれば、日常生活が戻れば喉元過ぎれば何とやらで、何事もなかったかのごとく生活していたのですが、今は苗を育てているせいか、いつまでも自然の脅威に対する恐怖心を引きずっています。

(ニッカ余市ヴィンヤード 西川)

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