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ぶどう畑通信
20258
〜余市のぶどう畑から〜
写真1. 摘芯を終えた垣根。
写真2. リーフカッター。トラクターの前面についている黒い物体がリーフカッターです。大きなバリカンが逆L字型についていて、垣根の横と上を同時に切り進めていきます。
全国のニュースでもご存じのように2025年7月下旬の北海道は非常に暑くなってきました。余市町のアメダスでは7月20日から5日連続、30℃を超えています。近年では素晴らしいヴィンテージとなった2021年に7月28日から8月3日まで7日間連続して30℃超えがありましたが、それに匹敵する7月になったと思います。弊社にも気象センサーを設置していますが、その測定結果はもう少しだけ低い気温でしたが、それでも暑い事には変わりありません。
畑のぶどうはこの気温の高さを受けて、ぐんぐんと成長しています。6月下旬にはシャルドネが開花し、その後ピノ・ノワール、ケルナーがほぼ同じ時期に開花し、最後にピノ・グリが開花を迎えましたが、4品種とも6月中に開花を迎えました。昨年も気温が高かったのですが、開花時期は昨年より少しだけ早くなりました。
今は結実期に入りました。ぶどうの実はまだ鮮やかな緑色で固い実ですが、順調に生育し、9月に開始する収穫に向かっていきます。
ぶどうの生育はとても早く、1.8mの垣根をすぐに超える高さになります。また上に伸びるだけでなく、副梢が横にも伸び、これを放っておけば通路を塞ぐくらいにまでなります。もちろんそのようなことになれば、ぶどうが光合成で造った養分がぶどう樹のいろいろなところに分散してしまいます。私たちとしては美味しいワイン造りが目的なので、養分はなるべくぶどうに集中するように育てていこうとしています。また枝が繁茂しすぎると風通しが悪くなり、ぶどうの実の周りの湿度が上がり、カビなど微生物の生育にはもってこいの環境となり、ぶどうの病害発生のリスクが高まります。それを防ぎ、ぶどうの実に養分を集中させるために、こまめに枝の先端を切りおとします。(“摘芯”といいます)
以前この作業は人手で行っていました。炎天下の中で上を向いて伸びた枝を切る、という大変な作業でしたが、数年前にリーフカッターを導入し、ずいぶんと楽な作業になりました。
(ニッカ余市ヴィンヤード 山本記)